zerosanの雑多ブログ

ゲームやCoC、珍しい食べ物の食レポなど趣味の投稿をします

(CoCシナリオ)灰神様

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あらすじ
「ねぇ、灰神様って知ってる?」
子供達の間で灰神様という人間を灰に換えてしまう土地神が居ると噂になる。
「そんなのいるわけないじゃん!確かめてきてあげる!」
そう声をあげた快活な女の子が灰ヶ丘に行き、灰神様などいないと証明しようとするが、その後なかなか帰ってこない。女の子を心配した臆病な男の子が探索者に助けを求める。

時代:現代日本
推奨技能:目星 聞き耳 説得
プレイ時間:1時間程度
推奨人数:1人
難易度:簡単


KP情報
NPCである蒼真と探索者は何らかの関係で知り合いであることが望ましい。関係は近所に住んでおり、名前を知っているという位で構わないが、教師や空手の先生(何らかの戦闘系の指導者でも可、その場合蒼真と一花の習い事を変更する)などだとより導入がスムーズになる。
・推奨技能は目星、説得、聞き耳。DEXの対抗ロールがあるのでDEXが10以上あることが好ましい。
・舞台は架空の地方、灰ヶ原。自然が多く残る地域だが、施設や交通機関は発達しており探索者が望むものはある程度手に入る。


登場人物&設定
川辺一花
・11才女性、気が強く勝気な性格。蒼真とは幼なじみで同じ空手の習い事をしている。
・一花の両親は仕事で夜遅くに帰ってくるため、家族で遊ぶ時間が少なく、両親の気をひこうと無茶なことをしたりする

田口蒼真

・10才男性。気が弱く引っ込み思案。一花とは幼馴染。学校で苛められているところを一花に助けられ、苛められないために空手を習おうと一花に誘われ空手を習い始める。

一花の両親
・両親は仕事が忙しく、一花と過ごす時間が少ない。夕飯も用意した食事を一花に一人で食べさす程で顔を合わせ話をするのは朝の短い時間だけだ。一花が気を引こうと無茶なことをするのは認識しており、関係を直したいと考えてはいる。
※プレイヤーが一花と親しい場合は情報を公開しても良い。タイミングは一花の両親に対してアクションを行ったりする時などが良い。

灰神様
・灰神様=クァチル・ウタウス
・豊穣の神として祭られていた。
・はるか昔の神社の神主が渡来人より受け取った書物(カルナマゴスの遺言の写本)を研究した。そしてクァチル・ウタウスの存在を知りクァチル・ウタウスと契約し、不老不死になろうとする。神主はクァチル・ウタウスに通じる独自のアーティファクト(祠)を作り、クァチル・ウタウスを呼び出したが、それは不完全な召喚方であり、クァチル・ウタウスに襲われて塵になってしまった。

祠について
・祠は石で作られた小規模な祠。クトゥルフ神話技能でクァチル・ウタウスの召喚を助けるアーティファクトである事がわかる。
・祠はクァチル・ウタウスのいる空間に繋がれており、祠の中にあるクァチル・ウタウスを模した石像を触るとMPが10減少しクァチル・ウタウスが召喚される。
※この召喚では一定の時間しか留まることができず、時間経過で帰還する。
・祠の耐久は5で、破壊可能。破壊した場合は祠の機能は失われ、クァチル・ウタウスが召喚されることはなくなる。破壊した場合はクリア時に1D6のSAN回復を追加する

導入
ここは自然が多く残る地方都市、灰ヶ原。そこに探作者は住んでいる。日の傾き始めるころ(16時)来客を知らせるインターホンがなる。
依頼
・ドアを開けるとそこには見覚えのある少年がいた(蒼真)話しかけるとおどおどした様子で今にも泣き出しそうになる。(説得、言いくるめ、ロールプレイで成功)すると話を聞ける。

男の子(蒼真)の話
・空手の道場の子供達が灰神様という土地神の話をしていた。灰神様は灰ヶ丘に住んでおり、無断で灰ヶ丘に踏みいると灰にされてしまうという怪談話だった。その話を聞いた幼馴染みの一花という少女が「そんなのいるわけないじゃん!確かめてきてあげる!」といい稽古の途中で抜け出して何処かに行ってしまった。稽古が終わっても帰ってこず、道場の子供達は一花が灰ヶ丘に行ったことを黙っていないと仲間はずれにすると脅し口止めされていたが、蒼真は一花の事が心配で探索者に助けを求めた。

RP例
蒼真「ぼ、ぼくのなまえは蒼真(そうま)って言って、その、実は空手の稽古でみんなと灰神様の話をしてて、怖がってたら一花ちゃんが「そんなのいるわけないじゃん!確かめてきてあげる!!」って言って稽古の途中で居なくなったの…それでそれから帰ってこなくて…みんなは黙ってないと仲間はずれにするぞって言って大人に言わないようにって約束してて…」そう言いぼろぼろと泣き出してしまう。

RP後蒼真から得られる情報
・灰神様という触れた物を灰に変えてしまう土地神が灰ヶ丘に要るという噂
・灰神様がいる灰ヶ丘の場所を教えてくれる。KPは探索者に準備をさせ向かわせるように誘導する。
・現時点で警察に連絡しても対応してくれない。一花の両親に対して連絡を取ろうとしても仕事が忙しいため繋がらない。

探索
ネット、聞き込みなどで得られる情報
・灰ヶ丘は山道を道なりに進むと灰神様を祭る祠がある。そこの立ち入りは禁じられており、立ち入ったものは灰神様に灰にされてしまうと言われている。
・灰神様は当時の神主が痩せていた土地を肥えさせる為に当時の神主が自らの命を犠牲にして呼び出した式神で、未だに灰ヶ丘にある祠で豊穣の神として祭られている。

灰ヶ丘
・灰ヶ丘は大きな丘で木々に覆われている。山道は長いこと使われていないのか荒れ果て、上るには苦労しそうだ。目星か追跡で足跡を見つけられる。(地面が少し湿っていると言うことで数値を2倍にして振ってもよい)
・探索者が山道を登ろうとすると丘の中腹あたりから白い光の柱が立つ(SANチェック0/3)

祠前の草むら(丘の中腹あたり)
探索者が道を進んだ後2回、目星、聞き耳、追跡、幸運のいずれかの技能で成功すると草むらで、膝を抱え震えている一花を見つけることができる。交渉技能orロールプレイで一花を落ち着かせて話を聞ける
一花から得られる情報
・灰ヶ丘に行った証拠として祠の中にある文字の刻まれた石像を取ろうと触ったら光の柱が立って黒いミイラのようなお化けが光の柱から降りてきた。そのお化けに襲われて逃げ隠れていた。
・灰神様の話を聞いた蒼真が凄く怖がっていたため、安心させるために灰ヶ丘に行き、灰神様など居ないと証明するために来た。

RP例
「灰神様の話を聞いた蒼真が凄く怖がっていて…灰神様なんていないと証明しようとここにきたの。それで祠?の中にある石像みたいな物に触れたら黒いお化けが出て来て…追いかけてきた…」

一花の話を聞き終えた後に祠の方からクァチル・ウタウスが現れ戦闘になる。聞き耳に成功すれば接近に気がつき一花がクァチルを見るのを防ぐ事ができる。失敗した場合一花は恐怖で震え過呼吸になり、動くことができなくなる。動けない一花を抱えて逃げる場合はDEX-2する(精神分析か説得、ロールプレイで落ち着かせることができる。)

クァチル・ウタウス
クァチル・ウタウスの描写
その体は小さく子供ぐらいの大きさしかなかったが、千年もたったミイラのように干からびていて、シワだらけだった。毛が1本もない頭にも、骸骨のように細い首の上についている目鼻立ちのない顔にも、無数の編目状のすじがついていた。先端に骨のようなかぎ爪のついている管状の腕はまるで永遠の手探をしている形で硬直しているかのように、前につき出されたままになっていた。
そして滑るように移動し探索者に近づく。触れる木々や足元の土を一瞬の内に塵に変えながら(SANチェック1D6/1D20)

能力
STR12 CON20 SIZ6 INT19 POW35 DEX3 HP13
攻撃
・タッチ:自動的に成功。ダメージ:即死
装甲
すべての物理的、魔術的な攻撃を受けない。攻撃すれば武器が即時に塵になる。

クァチル・ウタウスから逃げる
・逃げるにはクァチル・ウタウスとのDEX対抗ロールを行い2回連続で成功した場合、灰ヶ丘の麓まで逃げられる。また二回連続で失敗した場合は対抗ロール終了時にクァチルが攻撃してくる。基本的にクァチルは召喚主の一花を攻撃してくるので攻撃された場合は一花の回避50で判定を行い、回避に失敗した場合は塵にされ、クァチル・ウタウスは帰還する。この時、探索者が庇うことで探索者のDEX×5か回避で判定を行える。成功した場合は上手く一花を庇いながら回避できるが失敗した場合は目の前で一花が塵にされてしまう。(3/1d10のSANチェック)一花が死んでしまった場合はクァチルはそのまま帰還する。
・一花の手を引いて逃げる場合はDEX-1、動けなくなった一花を抱えて逃げる場合はDEX-2とする。
・一花を置き去りに逃げることも可能。その場合はバッドエンドになる。
・探索者のDEXがあまりにも高く、対抗ロールに緊張感がない場合は、1度だけブラフのロールを行い、一花が転んで対抗ロールを強制失敗すれば盛り上がるだろう。
・ロールに成功した場合は無事に麓まで逃げ切れる。探索者は一花を家に送り届けてシナリオクリア。エピローグに移行する。

エピローグ
一花を保護できた場合(グッドエンド)
・翌日に一花の両親と一花がお礼に来る。両親は探索者に迷惑をかけたことの謝罪と一花を助けてくれたことに感謝の念を示し、お礼の挨拶に来る。一緒にいた一花も探索者にありがとうございましたとお礼を言い頭を下げる。その様子に以前のやんちゃな性格は鳴りを潜め、少しだけ落ち着いたように感じた。
お礼を言い終えると一花と両親は帰る。帰る最中、手をつなぎ和やかそうな雰囲気で話していた。(今回の事件で親が仕事より一花を優先させるようになる)
・SAN回復6+2D6
後日、蒼真が探索者の元に訪れ、どうしてそんなに勇気のある行動(灰ヶ丘に助けに行く)をとれるのかを訪ねる。(探索者が答える)それを聞くと蒼真は「僕も(探索者)さんみたいに勇気のある人になれるよう頑張る。それで一花ちゃんを守れるぐらい強くなりたい」そう探索者に言った後、「あ、今のは一花ちゃんに内緒ね?」と照れ臭そうに笑う。

一花を助けられない場合(バッドエンド)
後日、警察が捜査を始めたが一花は見つからなかった。後日一花は行方不明という扱いで大掛かりな捜索が行われたが見つかることはなかった。探索者は一花を助けられなかった自責の念に悩まされるだろう。SANチェック1D6/2D6